これをおさえれば上手く行く! カラマネ成功のポイント

カラーマネジメントシステムは全ての入出力機器とソフトウェアを統合的に管理・運用するシステムです。そのため、幅広い知識・各工程の設定・システム全体をつなげるワークフロー構築に加え、定期的なメンテナンス、関連スタッフへの教育など、多くの作業が求められます。

よく誤解されるのは「モニターなどの機材を入れたら大丈夫」「ソフトを設定したら大丈夫」といった一部分だけの取組で導入できるシンプルなソリューションだと思われることです。

たしかに必要な機材や設定等はネットの情報を集めれば見つかりますが、色に関する知識、自社の作業フローの正確な理解、すべての入出力デバイスとソフトウェアの検証などを行うには経験とノウハウが必要です。そして運用するにはスタッフ教育、マニュアル作成、運用ルールの設定と定期的なチェックも欠かせません。

実は失敗企業の多くが犯すパターンが決まっていて、成功企業のやり方がそっくりなのが面白いところです。例えば高価なカラーマネジメント対応モニターを購入したが、測定しないまま普通のモニターと同じように使っているケースなどがよく見られます。これでは宝の持ち腐れですよね。

カラーマネジメントを導入してコスト削減するためには「成功企業のポイント」を真似するのが早道です。

Point 1【幅広い知識・ノウハウ】

カラーマネジメントの導入には、各工程で利用される個々の機材の調整/設定のほか、各工程間をつなぐデータのやりとりにおけるルール作りなど、幅広い知識とノウハウが必要です。

具体的には、色に関する知識、個々のハード/ソフトの調整と設定、各作業工程についての理解、それらを接続して障害が無く最も効率的なカラーワークフローを構築するノウハウになります。

システム管理的な知識だけでなく、実際にデータを扱う制作者の知識も必要です。色は最終的に人間が感覚で判断する物なので、正しい色を見分けるトレーニングをしますが、デザイナーのような色に敏感な人は覚えるのが早いようです。

Point 2【責任者が具体的なメリットを認識している】

導入責任者はもちろん、事業統括者がカラーマネジメント導入のメリットを具体的に把握していると、予算確保・導入が迅速化することによる導入コストの削減、運用の継続による開発制作コストの削減が実現します。

成功企業を見ていると下記を事前に検討しているケースが多く見られました。

・自社の業務フローと目的にどのように寄与するか
・運用後に開発制作コストがどの程度削減できるか
・初期導入規模と将来的な拡張をどうするか
・ROIを大きくするためカラーマネジメントの新しい利用方法を検討したい

当社のカラーマネジメントセミナーを導入前に行って、事業統括者を含めて関係者の意識統一に利用されるケースが多いのも成功企業の特徴です。

Point 3【スタッフ教育】

各工程間でデータをやりとるする際に「データの色変換」を行います。なるべく自動で行えるようにカラーワークフローを工夫しますが、一部は手動になるためスタッフがデータを取り扱いを覚える必要があります。もし間違った運用を行うと事故に繋がります。

スタッフ教育にはもう一つ重要な役割があります。スタッフにカラーマネジメント導入のメリットを理解してもらい、前向きになり導入をスムーズに行うことにあります。導入するとこれまでのモニターと色が変わったり、運用ルールが増えて面倒に感じるため、失敗企業では導入に反対したり利用しないケースが多く見られました。

スタッフの変更や新卒者が来た時にはすぐに教育を行うのも成功企業の特徴です。

Point 4【継続的な運用管理】

一度導入したらメンテナンスも設定変更も必要無しのソリューションと違い、入出力デバイス/ソフト/PCの入替やバージョンアップの際には検証と設定が必要です。

プロジェクト変更や組込ディスプレイ変更などによる色基準が変わる際には、すべてのソフトとモニターの設定変更、マニュアルの修正、関係スタッフへの通知が必要です。

スタッフが自分のモニターやソフトの設定を変更してしまうこともあるので、定期的なチェックも欠かせません。

対象となるPCが100台を超えたら専任の管理者を置く企業もありますが、知識とノウハウが1名に集中するため、メンテナンスや設定変更は外部へ委託する方がコスト削減に繋がります。

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