色空間とは?
普段なにげなく使用しているRGB, CMYK, sRGBといった言葉はカラーマネジメントを理解する重要な用語の1つです。
RGB, CMYKなどはカラーモードと呼ばれ、色情報をどのように持っているかを示しています。RGBはRed, Green, Blueの3色を組み合わせて色を表現しているという感じです。
一方で、sRGB, AdobeRGBなどは色空間やカラープロファイルと呼ばれ、色の表示領域を表しています。sRGB対応ディスプレイより、AdobeRGB対応ディスプレイは色が鮮やかに表現されるといった感じです。
2つは似ているようでいて全く異なるものなんですね。
RGBはディスプレイがRed, Green, Blueの発色体で色を表現し、CMYKは印刷がCyan, Magenta, Yellow, Blackの4つの版で色を表現されるからです(方式により異なる物もあります)。
しかし、ディスプレイによってRed, Green, Blueの発色度合いが異なったり、印刷のインクや紙によってCyan, Magenta, Yellow, Blackの発色が異なるため、色空間が異なってしまうと言うわけです。
そのためカラーモードの中に色空間があると覚えるとわかりやすいと思います。
※RGB, CYMKなどのカラーモードと色空間の関係
このようなことから、カラーマネジメントで色をマッチングさせるには、具体的な表示領域が示されている色空間を使う必要があります。
色空間は立体で表現
色空間はRed, Green, Blueなどの「色(色相や彩度)」だけでなく、明るい暗いといった「明るさ(輝度)」も含みますし、白の色合い「色温度(電球色や青白い光など)」も含まれています。
これら3つの情報を表すために色立体という立体的な表現を行います。
※MacOS付属のColorSyncユーティリティで、sRGBとAdobeRGBの色立体を比較
製品開発で活用される色空間
製品開発ではどの色空間を使用したら良いか? それは開発している物によって異なります。
● リアルな物体(車両・アパレル・家電・製造装置・化粧品・・・・)
AdobeRGB:派手な色が含まれる場合は広い色空間を持つAdobeRGBが良い
sRGB:表現できる色は少なくなるが、測定器やソフトウェアなど対応している物が多いので、カラーマネジメントシステムを構築しやすい
● ディスプレイ(自動車メーター・パチンコ筐体・・・・)
採用されるディスプレイを測定:搭載されるディスプレイをシミュレーションする必要があるため、sRGBのような理論値ではなく、サンプルディスプレイを測定する
製造業以外の業界も含めた、推薦される色空間(プロファイル)をまとめた表をご紹介します。モニターメーカーのEIZOが発行、私が著作しているカラーマネジメント導入のガイドブックです。
基礎知識やモニターやソフトの設定方法が紹介されていますので、ぜひご活用下さい。
ダウンロードはこちらから。
※「わかる!3DCGでのカラーマネジメント」より
EIZO発行 PERCH著作
色空間を表すデータ形式の1つカラープロファイル
色空間を示す方法はいくつかありますが、最も利用されているのはカラープロファイル(ICC color profile)です。
WindowsやMacなどのOSの特定の場所に保存されていて、ソフトウェアが閲覧してカラー管理機能に活用されます。
CGWORLDで私が連載しているカラーマネジメントのブログで、カラープロファイルの中身や詳細を解説しているので、より深く理解したい方は読んでいただけたらと思います。
https://cgworld.jp/regular/cms002.html
リンク
カラーマネジメント用語解説
色空間だけでなく、カラーマネジメントでよく使われる用語をわかりやすく解説しています。
https://perch-colormanagement.jp/color-management-terminology/
CG de カラマネ!
第2回:カラーマネジメントの色基準〜カラープロファイル
色空間について、もう一歩掘り下げた内容です。
https://cgworld.jp/regular/cms002.html
デモキット
現物とAxFを使用したデジタルデータを比較して、マッチング精度を確認したい場合は、素材/測定したAxFデータ/正しく設定されたソフトウェア/正しく設定されたモニター/色評価用照明が必要になります。準備にはコストが、設定にはノウハウが必要ですので、デモキットが便利です。
素材を送っていただければx-rite社で測定し、PERCHでカラーマネジメント設定済みの機器をまとめてお貸し出し致します。
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